モスクワ平和友好祭

 友好祭は、正式名称を「世界青年学生祭」(The World Festival of Youth and Students / Всемирный фестиваль молодёжи и студентов)と言います。スローガンとして「平和と友好」(for peace and friendship/ за мир и дружбу)がうたわれていたため、世界青年学生平和友好祭とも言います。ただ、これではあまりに長いので、日本では「平和友好祭」や「友好祭」と略すことが多いです。本HPでも基本的に「平和友好祭」や「友好祭」と呼ぶことにします。

 世界青年学生祭は、世界民主青年連盟(World Federation of Democratic Youth: WFDY)と国際学生連盟(International Union of Students: IUS)が共催する世界規模の青年の集いです。第1回は1947年にプラハで開かれました。東西冷戦下の東側陣営とともに、西側からは、社会主義や共産主義に共鳴する諸団体を中核に、多種多様な人びとが参加しています。

 1947年のプラハの後は、ブダペスト(1949年)、東ベルリン(1951年)、ブカレスト(1953年)、ワルシャワ(1955年)と東欧諸国を順に回り、1957年の第6回で初めて社会主義の「祖国」ソ連での開催となりました。

モスクワ友好祭の公式ロゴ

1957年7月28日から8月11日まで開かれたモスクワ平和友好祭には、131カ 国から3 万4000人が参加しています。これは友好祭の歴史上、最大の参加人数です。スターリン時代はほとんど鎖国に近い体制だったソ連が、フルシチョフの「雪どけ」が始まって国の方針を「閉鎖」から「開放」へと180度転換しており、世界各国からこの目でソ連を見てみたいと多数の人が集まったのです。